ニュースレター No.49 / 2004年2月困った保護者?津村 薫 ひとり娘が高校受験を控えている。先日、中学から「確認事項」という書類を持ち帰った。それは高校受験のルールを確認するという内容のものだ。3つの選択肢があり、以下のように説明されている。 @
私立高校 そして、「以上の点について了解しました」と署名捺印して、学校に返すことが必要になる。きちんとした説明書は以前からもらっているし、説明会も何度か開かれている。しかも、自分の受験の時だってそうだったので、「へ?なんで今さら?」と怪訝に思いながら受け取った。すると、後日、学校の事情に詳しい知人から聴かされた。ルールを確認していたはずでも、専願で私立高校に受かった途端、「公立も受けさせたい」などと言ってくる保護者がいるのだそうだ。「なにそれ。だって専願で受けるってことは、受かればそこに行くって約束で受けてる訳やんね?」と聴くと、「そうなんやけど、それでもいるんやて、そういうことを言い出す保護者が」と。びっくり。進路説明会でも、「なんでそんなことで?」と思うようなことで、教師に喧嘩腰でくってかかる保護者もいて、それにも驚かされた。どう考えても、保護者の要求が度を越しているのだけれど、それでも懇切丁寧に説明をする先生が気の毒に思えて仕方なかった。 困った保護者の問題はそれ以外にも耳にする。私も何度かその場面に出くわした。学校の授業参観や、説明会などでも、私語が飛び交い、授業や説明そっちのけで携帯メールに興じる保護者も多いのだ。これで子どもたちに「静かに話を聴きなさい」と言ってもなあ・・とタメイキをつきたくなることもある。 猥褻行為や暴力行為で問題になる教師の悲しい話題にも事欠かないが、現代は教師受難の時代でもあるのだろう。私が学童期には、「子どもの人権」などという言葉はなかった。体罰教師が「厳しくて良い先生」と評価が高く、私たち子どもは、ビクビクして過ごさねばならなかった。教師も教育現場も絶対的な権力だった。保護者の側の過去の傷つきが癒されないまま、それは子どもの問題に投影されている。保護者対応に疲れて退職する保育士や幼稚園教諭が後を絶たないと聴く。仕事で職員研修に向かう度に耳にする、保護者対応について、何かできないだろうかと思い、今年の「女性ライフサイクル研究 特集:ライフサイクルにおけるストレス・危機とケア」で、私は「保育士の役割と危機」について書いた。共に連携し、子どもたちのために良い学校運営に努めるという時代がくるまでは、まだ時間がかかるのだろう。良い関係が築けるよう、一保護者としても何かできればと思うし、仕事としても、そのために何かできればと考えている。 |
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